最近の「バラエティー番組」について
放送界の第三者機関である放送倫理・番組向上機構の放送倫理検証委員会が、いわゆるバラエティー番組全体について、倫理的な質や演出方法を今後継続的に検討していくとの方針を発表しました。きっかけは、2008年夏にTBS系で放映されたお笑い番組で、出演者が後輩に当たる女性芸人の胸を繰り返し触るシーンが放映され、視聴者から「上下関係があるため反発できなかったのではないか。セクハラまがいの行為だ」などの意見が複数寄せられたことです。
気になるのは、このような動きに対する各放送局トップの反応です。2008年11月30日付の産経ニュース(http://sankei.jp.msn.com)より、コメントを引用させていただきます。
どんなに低俗な番組であっても「求めている視聴者がいるのだから」「見たくない人は見なければよい」などと擁護する声があります。「表現の自由」という錦の御旗を振りかざされればそれまでですし、「表現の自由」の重要性は私とて否定するものではありません。
しかし、おもしろいからといって弱い者いじめや性的嫌がらせをするような番組が、世の中から本当に必要とされているといえるでしょうか。また、テレビ制作に携わる方々は、そのような番組を本当に作りたいと思われているのでしょうか。
テレビ番組はだんだんとネタが切れてきて、手っ取り早く歓心を買う手段として下ネタやお色気に頼り、それがエスカレートしていくように思えます。この傾向は、テレビだけでなく、マンガ雑誌の長期連載やゲームなどにもいえることでしょう。
仮に「見る人が判断すればよい」という論理が通るとしても、子どもたちはどうなるのでしょうか。自分で見たうえで善悪を判断するなどということは、子どもにはできません。テレビのなかで大人たちが楽しそうにやっている様子を見たら、自分もやっていいのだと思うのが当然です。無責任な大人たちの言動で被害を受けるのは、子どもたちなのです。
低俗的な番組が生まれる下地と、いじめが起こる下地には、共通するものがある気がします。誰か1人(または数人)を不快にさせたり傷つけたりしてそれを皆で喜ぶような番組を見ると、何か怖いものを感じるのは私だけでしょうか? たとえ高い視聴率が取れるとしても、社会の益にならない演出はしないくらいの矜持を、クリエーターとして持ち続けていただきたい。そのことが長い目で見て広く支持される番組づくり、テレビ界の質の向上にもつながるはずです。
テレビは、ほかと比べものにならないほど大きな力をもつメディアです。インターネットも昨今問題になっていますが、テレビは今や空気のように当たり前の存在になっている点で恐ろしいものがあります。目と耳の双方に絶えず情報が流されることで、無意識のうちに人の考え方に影響をもたらす可能性も否定できません。このことを、テレビに関わるすべての方々に、テレビ人としてばかりではなく大人としていま一度よく考えていただきたいと願っています。
以上
気になるのは、このような動きに対する各放送局トップの反応です。2008年11月30日付の産経ニュース(http://sankei.jp.msn.com)より、コメントを引用させていただきます。
「番組内容に批判がある場合、そのつど担当者に届く仕組みがある。編成の方で注意してやっているはず」(TBS・井上弘社長)民放といえどもテレビは、社会に大きな影響を及ぼす、公共性の高い事業のはずです。それを率いる者として覚悟も信念も感じられない、どれもあまりに無責任な発言ばかりではないでしょうか。
「個人の好み、さらに許容範囲もある」(日本テレビ・久保伸太郎社長)
「社会に害毒まで流しているかとなると、どうなのか。どこまで許されるのかは真剣に考えていかねばならない」(フジテレビ・豊田皓社長)
「バラエティー番組は必要だ。セクハラはバラエティーとは別問題」(テレビ朝日・君和田正夫社長)
「バラエティー番組がお茶の間を良くも悪くも刺激してきた多面的な評価を、きちっとした上で指摘してほしい」(テレビ東京・島田昌幸社長)
どんなに低俗な番組であっても「求めている視聴者がいるのだから」「見たくない人は見なければよい」などと擁護する声があります。「表現の自由」という錦の御旗を振りかざされればそれまでですし、「表現の自由」の重要性は私とて否定するものではありません。
しかし、おもしろいからといって弱い者いじめや性的嫌がらせをするような番組が、世の中から本当に必要とされているといえるでしょうか。また、テレビ制作に携わる方々は、そのような番組を本当に作りたいと思われているのでしょうか。
テレビ番組はだんだんとネタが切れてきて、手っ取り早く歓心を買う手段として下ネタやお色気に頼り、それがエスカレートしていくように思えます。この傾向は、テレビだけでなく、マンガ雑誌の長期連載やゲームなどにもいえることでしょう。
仮に「見る人が判断すればよい」という論理が通るとしても、子どもたちはどうなるのでしょうか。自分で見たうえで善悪を判断するなどということは、子どもにはできません。テレビのなかで大人たちが楽しそうにやっている様子を見たら、自分もやっていいのだと思うのが当然です。無責任な大人たちの言動で被害を受けるのは、子どもたちなのです。
低俗的な番組が生まれる下地と、いじめが起こる下地には、共通するものがある気がします。誰か1人(または数人)を不快にさせたり傷つけたりしてそれを皆で喜ぶような番組を見ると、何か怖いものを感じるのは私だけでしょうか? たとえ高い視聴率が取れるとしても、社会の益にならない演出はしないくらいの矜持を、クリエーターとして持ち続けていただきたい。そのことが長い目で見て広く支持される番組づくり、テレビ界の質の向上にもつながるはずです。
テレビは、ほかと比べものにならないほど大きな力をもつメディアです。インターネットも昨今問題になっていますが、テレビは今や空気のように当たり前の存在になっている点で恐ろしいものがあります。目と耳の双方に絶えず情報が流されることで、無意識のうちに人の考え方に影響をもたらす可能性も否定できません。このことを、テレビに関わるすべての方々に、テレビ人としてばかりではなく大人としていま一度よく考えていただきたいと願っています。
以上
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